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ChatGPT(AI)を使って介護記録の文章を劇的に早く・正確に書く方法

ChatGPT(AI)を使って介護記録の文章を劇的に早く・正確に書く方法

「記録に30分かけるより、その時間をケアに使いたい」——これは現場で働くすべての介護職員が、一度は感じたことではないでしょうか。

実は、ChatGPTなどのAIツールを正しく使えば、日々の介護記録は「メモを貼り付けるだけ」の作業に変えることができます。私自身、日常的にAIと協働しながら業務をこなしており、その経験をもとにこの記事を書きました。

この記事でわかること:

  • AIを使って介護記録の時間を短縮できる理由と実績(宮城県実証事業)
  • ChatGPTを安全に使うための個人情報対策と設定手順
  • 明日からそのまま使えるプロンプト3選(SOAP形式・申し送り・家族連絡文)
  • AI生成記録の「そのままコピペ」が危険な理由と正しい運用ルール

目次

【結論】AIを使えば介護記録は「メモを貼り付けるだけ」になる

結論から言います。介護記録の本質は「ケアの事実を正確に残すこと」であり、文章を美しく整えることではありません。

AIはこの「文章を整える」という作業を一瞬でやってくれます。あなたがすべきことは、現場でとった断片的なメモをAIに渡すだけ。残り時間をすべてケアと利用者への関わりに充てることができます。

宮城県実証事業:AI記録で月100時間の業務削減

これは「理論」ではなく、すでに現場で証明されていることです。

宮城県が令和5年度に実施した先進的AI・IoT活用ビジネス創出実証事業(オータス株式会社)では、AIを活用した介護記録システムを導入した施設が月100時間の業務削減を実現しました(年間約180万円の人件費相当)。

出典:AIによる介護記録作成及びデータ分析システムの開発(宮城県)

※ この数値はシステム導入後の実績であり、すべての施設・職員に同等の効果が保証されるものではありません。ただし、方向性は明確です。記録業務にかかる時間はAIで確実に短縮できます。


まず知っておく:ChatGPTの個人情報リスクと設定

AIを使う前に、必ず知っておいてほしいことが2つあります。これを飛ばして使い始めると、個人情報の取り扱いで重大なリスクを負う可能性があります。

ChatGPTのデータ学習をオフにする方法

ChatGPTの無料プラン(Free)や有料プラン(Plus)では、デフォルト設定のままだと入力した内容がAIのモデル改善に使用される場合があります。介護記録を扱う場合は、必ず学習オフの設定をしてください。

設定手順(Web版):

1. ChatGPTの画面、左下のアカウント名またはアイコンをクリック

2. 「設定(Settings)」を選択

3. 「データコントロール(Data controls)」を開く

4. 「すべての人のモデルを改善するためにチャット履歴を使用する」をオフにする

この設定をするだけで、入力した内容がOpenAIの学習データとして使われなくなります。必ず最初に行ってください。

匿名化ルール:AIに貼る前に必ず「置き換え」を

介護記録に登場する健康情報・病歴・診療記録などは、個人情報保護法(第2条第3項)に定める「要配慮個人情報」に該当します。

出典:個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」

要配慮個人情報は、取得・第三者への提供に本人の明示的な同意が必要です。AIサービスへの入力は「第三者提供」に相当する可能性があるため、実名や施設名が入ったまま貼り付けることは避けてください。

具体的な置き換えルールはこちら:

元の情報 置き換え後
田中花子さん(82歳) A様(80代女性)
佐藤太郎さん(75歳) B様(70代男性)
○○デイサービスセンター 事業所
地名・施設名 削除または「事業所」に置換
疾患名(糖尿病、認知症など) そのまま残してOK

この作業は慣れれば1分もかかりません。後述のプロンプトでもこのルールを前提にしています。


コピペOK!介護記録プロンプト3選(即使えるテンプレート)

ここからが本題です。明日の現場で使えるプロンプトを3つ、全文そのまま掲載します。

私が伝えたいのは「難しいことは何もない」ということです。メモをこのプロンプトの末尾に貼り付けて送るだけ。それだけで記録の文章が仕上がります。

基本プロンプト(SOAP形式):箇条書きメモ → 正式記録に変換

介護記録の標準的な書き方「SOAP形式」に変換するプロンプトです。

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あなたは介護施設の記録担当者です。

以下の箇条書きメモを、SOAP形式の介護記録として整えてください。

【SOAP形式の定義】

S(主観的情報):A様が話した言葉・訴え

O(客観的情報):スタッフが観察した事実・バイタル

A(アセスメント):状況の評価・気づき

P(プラン):今後の対応・申し送り事項

【制約】

  • 個人名は「A様」と表記する
  • 事実のみを記述し、推測には「〜と思われる」など推測であることを明示
  • ですます調、2〜4文で各項目をまとめる
  • 医療的判断や診断は行わない

【メモ】

(ここにあなたのメモを貼り付けてください)

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使い方の例:

「A様 朝食後 いつもより元気ない 食事8割 ぼーっとしてる 声かけで返答あり」→ このメモを「【メモ】」の下に貼り付けて送信するだけです。


申し送りプロンプト:特記事項 → 次回スタッフへの申し送り文に変換

夜勤明けや業務終了時の申し送りをスムーズに書くためのプロンプトです。

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あなたは介護施設のスタッフです。

以下のメモをもとに、次のシフトスタッフへの申し送り文を作成してください。

【形式】

  • 冒頭に日付・担当時間帯を記載
  • 特記事項(通常と異なること)を優先的に書く
  • 引き継ぎが必要なことは【要確認】と明記
  • 全体で300字以内にまとめる

【制約】

  • 個人名は「A様」「B様」などで表記
  • 事実のみを記載し、推測は「〜の可能性があります」と明示
  • ですます調で書く

【担当時間帯】

(例:夜勤17時〜翌9時)

【メモ】

(ここにあなたのメモを貼り付けてください)

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夜勤明けで眠くて文章が書けない時でも、このプロンプトにメモを貼れば申し送り文の原型ができます。あとは事実確認をしながら修正するだけです。


家族連絡文プロンプト:ケア内容 → 丁寧な報告文に変換

ご家族への電話連絡メモや定期報告を書く際に使えるプロンプトです。

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あなたは介護施設のスタッフです。

以下のケア記録をもとに、ご家族への丁寧な報告文を作成してください。

【形式】

  • 冒頭に「平素よりお世話になっております」の挨拶
  • 本日の様子(食事・活動・健康状態)を具体的に報告
  • ポジティブな出来事があれば優先的に盛り込む
  • 懸念事項がある場合は事実のみを伝え、「施設として引き続き見守ってまいります」などのフォローを入れる
  • 締めの挨拶を入れる

【制約】

  • 個人名は「お父様」「お母様」など続柄で表記
  • 「です・ます」調で丁寧に書く
  • 医療的判断・診断は行わない
  • 全体で200〜300字以内

【ケア記録メモ】

(ここにあなたのメモを貼り付けてください)

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電話より先に文章で整理することで、「あれ、何を伝えようとしていたっけ」という焦りが減ります。


法的グレーゾーンへの対処法

AIが生成した記録をそのままコピペして記録として保存することには、いくつかのリスクがあります。正しく理解して運用しましょう。

「そのままコピペ投稿」が危険な理由

介護保険法の運営基準では、介護記録は「事実に基づいた記録」であることが求められています。AIが生成した文章には、以下のリスクがあります:

1. 事実と異なる内容が生成される(ハルシネーション)

AIはメモにない情報を「もっともらしく」付け加えることがあります。「A様は食欲旺盛でした」という文章が、実際には食事量が少なかった日のメモから生成される——こういった誤りが訴訟や監査の場で問題になる可能性があります。

2. AIが生成した文章はあなたの「観察」ではない

記録の主体はあなたというスタッフです。AIが整えた文章でも、最終確認と事実チェックはあなた自身が行う必要があります。

3. 個人情報の入力履歴が残るリスク

前述のデータ学習設定をオフにしていても、通信ログが残る可能性はゼロではありません。

正しい運用ルール:

  • AI出力は「下書き」として使い、必ず人間が読んで事実確認をしてから保存する
  • 「A様の様子は良好でした」→「A様、朝食9割摂取。声かけに笑顔で返答あり」のように、具体的な観察事実に修正する
  • 疑わしい記述は削除する(曖昧にしておくより、書かない方が安全)

具体的な判断(記録の法的効力・AI活用の施設ルール策定など)については、施設管理者・法務担当者・弁護士にご相談ください。

また、個人情報保護法に関する正確な解釈は個人情報保護委員会の公式ガイダンスを参照してください:医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス Q&A(事例集)


AIで生まれた時間を「ケア」に充てる

私自身、日常的にAIツールを業務や情報整理のパートナーとして活用しています。使いこなすほどに見えてきたことがあります。

それは、AIはケアの主役にはなれない、ということです。

介護記録を5分で書けるようになったとして、その浮いた25分で何をするかが本質です。利用者の話をもう少し聞く。表情の変化を観察する。ゆっくり移乗介助をする。この「人間にしかできないケア」の時間を増やすために、AIを使う——それが正しい役割分担です。

私が伝えたいのは「AIに記録を任せよう」ではなく「記録の負担をAIに分担してもらい、あなたは人間にしかできない仕事に集中しよう」ということです。

Googleも同様のコンセプトで、Geminiアプリ内に「ケア記録アシスト」という専用機能を開発・提供しています。音声メモや手書きメモの写真からSOAP・F-DAR形式の記録下書きを自動生成するツールです。詳細はこちら

ChatGPTとの違いは「専用設計か汎用ツールか」という点です。ChatGPTはプロンプト次第でどんな形式にも対応できる自由度の高さが魅力で、上記のプロンプトを施設の記録様式に合わせてカスタマイズできます。


まとめ:まず1週間、1記録だけAIを試してみてください

記事の要点を整理します。

1. AIを使えば記録時間は大幅に短縮できる(宮城県実証事業では月100時間削減の事例あり)

2. 使う前に2つの設定を必ず行う:ChatGPTのデータ学習オフ + メモの匿名化

3. プロンプト3選をそのまま使える:SOAP形式変換・申し送り文・家族連絡文

4. AI出力は「下書き」:最終確認と事実チェックは必ず人間が行う

5. 浮いた時間をケアに充てることが本当の目的

まず明日の業務で1つだけ試してみてください。「介護記録 書くのが遅い」という悩みが、劇的に変わる体験ができると思います。


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著者プロフィール

あき / 重度訪問介護・夜勤専従ヘルパー歴2年。要介護5の父の在宅介護をきっかけに介護業界へ。前職で培ったDX・業務効率化の知見を活かし、介護×DXの実践者として現場のリアルを発信中。


※本記事の情報は執筆時点(2026年5月)のものです。AIツールの仕様・料金・機能は変更される場合があります。また、個人情報保護法・介護保険法の解釈については専門家(弁護士・社会保険労務士等)にご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、法的アドバイスを提供するものではありません。

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この記事を書いた人

重度訪問介護の現役夜勤ヘルパー(神戸)。父(要介護5・右半身麻痺・言語障害)を3年間在宅介護した経験から、ドローンスクール運営会社を退職し2024年4月に介護業界へ転身。介護職3年目の今は、重度訪問介護と地域包括ケア病棟の両方で勤務し、入院から在宅復帰までの全プロセスを現場で見ている。前職でDX化(人件費60%削減)を手がけた経験を活かし、介護現場の自動化・ロボット導入の可能性を追求中。2027年4月、神戸・芦屋エリアで独立し訪問介護事業所を開業予定。

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